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バリカタン2025:フィリピン・米国・日本の部隊が海上合同演習を終了

- バリカタン2025:フィリピン・米国・日本、海上合同演習を終了
マニラ(フィリピン)発 — フィリピン、アメリカ、日本の3カ国は4月28日(火)、フィリピン領海内で行われた6日間の海上合同演習を締めくくりました。この多国間演習は、ザンバレス沖に中国の軍艦が出没したとの報告があったにもかかわらず、予定通り実施されました。
この多国間海上演習は、今年の「バリカタン」演習の一環として行われたもので、フィリピン、アメリカ、日本の海軍および沿岸警備隊が参加し、同盟国間の相互運用性と連携の強化を目的としています。
フィリピン海軍は、4月26日に中国人民解放軍海軍の艦艇3隻が、ザンバレス州パラウィグ沖約60海里の地点で確認されたと発表しました。この海域では、同盟国の艦艇が訓練活動を行っていました。
- 6日間の訓練内容
4月24日から29日までの期間中、3カ国の部隊は以下の訓練を実施しました。
- 通信訓練
- 分隊戦術
- フォト・エクササイズ(編隊航行中の撮影訓練)
- 洋上補給
- クロスデッキ着艦資格(異なる艦艇間でのヘリ着艦訓練)
- 海上捜索救助(SAR)訓練
- 射撃訓練(実弾射撃)
これらの演習は、スービック湾からルソン島北部作戦区域にかけての海域、すなわちフィリピン西方の海洋領域で展開されました。
- 参加艦艇・航空機一覧
フィリピン海軍:
BRP ラモン・アルカラス(PS16)
BRP アポリナリオ・マビニ(PS36)
- フィリピン沿岸警備隊:
BRP ガブリエラ・シラン(OPV8301)
- 米国海軍:
USS サバンナ(LCS-28)
USS コムストック(LSD-45)
- 海上自衛隊(日本):
JS やはぎ(FFM-5)
- 航空支援:
フィリピン海軍:AW109ヘリコプター(NH434)
米海軍:MH-60R シーホーク(Stinger 44)
海上自衛隊:SH-60K(Super Auk26)
- 中国艦艇への対応と意義
フィリピン海軍は、中国艦の出現に対して**「国際法および規定に従って対応した」と表明**し、「参加部隊は訓練目標に集中しており、同盟国と共に活動している」と述べました。
同海軍は声明の中で、「この多国間海上演習は単なる訓練ではなく、インド太平洋地域における安全・安定・ルールに基づいた海洋秩序という共通のビジョンを再確認するものである」と強調しました。
- バリカタン演習について
バリカタン演習は、フィリピンとアメリカによる最大規模の年次合同軍事演習で、今年で第40回を迎えました。今年は、フィリピン、米国、オーストラリアから約14,000人が参加しています。
なお、日本はこれまでオブザーバーとしてのみ参加していましたが、今年初めて本格的に演習に参加し、海上自衛隊の約100人が選抜された活動に加わる予定です。演習は5月9日まで継続されます。