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2025/11/07

フィリピン・マルコス大統領、ASEAN首脳会議で日本・カナダ・国連の各首脳と会談

フィリピンのマルコス大統領は7日、ここマレーシア・クアラルンプールで開幕した第47回東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議に出席し、カンボジア、タイ、カナダ、日本、欧州連合(EU)、国連の各首脳と個別に会談した。

大統領はファーストレディ、リザ・マルコス夫人とともに会場のクアラルンプール・コンベンションセンターに到着し、開催国であるマレーシアのアンワル・イブラヒム首相の歓迎を受けた。

■ ASEAN議長国としての準備を強調

全体会合でマルコス大統領は、フィリピンが来年のASEAN議長国を務める準備ができていると強調した。
大統領府のクレア・カストロ報道官によると、フィリピンの議長国としての重点は「実践的で包摂的、そして測定可能な取り組み」になると述べ、ASEANの遺産とASEANビジョン2045の実現に貢献する姿勢を示した。

マルコス大統領はまた、東ティモールのASEAN正式加盟を祝福し、ASEANの中心性の重要性、そして国家管轄権外区域の生物多様性に関するUNCLOSへのフィリピンのコミットメントを改めて強調した。

さらに、大統領はタイのワチラロンコン国王の母であるシリキット王太后の逝去に哀悼の意を表した。

■ 各国首脳との二国間会談

マルコス大統領は、カンボジア、タイ、カナダ、日本、EU、国連の首脳と相次いで会談した。

カンボジアのフン・マネット首相との会談では、タイ・カンボジア間の紛争について、国際法に基づく平和的解決を支持する立場を改めて伝えた。
カストロ報道官によると、大統領は同紛争解決に向けた進展、とくに米国のトランプ大統領とアンワル首相が立ち会った「ASEANオブザーバーチームの基本文書の署名」を歓迎したという。
フン首相は、フィリピンの来年のASEAN議長国就任を強く支持すると述べた。

タイのアヌティン・チャーンウィラクン首相も同様に、フィリピンの議長国を全面的に支持すると表明。
両首脳は観光、貿易、投資、民間部門との連携の強化に加え、農業分野での交流深化について意見を交わした。

カナダのマーク・ジョセフ・カーニー首相との会談では、両国の緊密な人的交流が強調された。
マルコス大統領は、国際法にもとづく秩序、特に国連海洋法条約(UNCLOS)に関する共通の価値観に触れつつ、カナダの継続的支援に謝意を示した。
両首脳は、貿易、投資、エネルギー分野での協力拡大、そしてASEANでの建設的関与を続けることに合意した。

カナダ首相府の発表によると、カナダとASEANは2026年の妥結を目指し自由貿易協定(FTA)の交渉を加速させることで一致。
さらにカナダとフィリピン間の二国間FTA交渉も近く開始し、同じく2026年の妥結を視野に入れると述べている。

マルコス大統領はさらに、新たに就任した日本の高市早苗首相、EUのアントニオ・コスタ欧州理事会議長、国連のアントニオ・グテーレス事務総長とも会談した。
高市首相には就任を直接祝意し、防衛・安全保障協力や日米比の三カ国協力にも触れた。
コスタ議長は、多国間主義と国際秩序強化へのEUの継続的なコミットメントを再確認した。

■ ATIGA改訂版に署名

貿易産業省のクリスティナ・ロケ長官は、現代的な貿易課題に対応するため改訂された「ASEAN物品貿易協定(ATIGA)」の改訂議定書に署名した。
日曜日には「ATIGA改正第2議定書」が首脳らに提示された。

明日には「ASEAN中国自由貿易圏3.0アップグレード」の署名が予定されており、マルコス大統領は地域の市場開放、インフラ整備、持続的な経済成長へのフィリピンの支持を改めて強調している。

■ 東ティモールがASEAN11番目の加盟国に

全体会合に先立ち、マルコス大統領らASEAN各国首脳は、東ティモールの正式加盟を認める宣言に署名した。
署名式にはラモス=ホルタ大統領とシャナナ・グスマン首相も出席し、歴史的な瞬間となった。

マルコス大統領は声明で、東ティモールの加盟は「地域の団結、協力、繁栄への揺るぎない姿勢を示すもの」と述べ、フィリピンは「より包摂的で安全かつ持続可能な未来の実現に向けて全加盟国と協力する」と表明した。

東ティモールは2011年に加盟を申請し、2022年にASEAN首脳は原則加盟を承認、オブザーバー参加の権利を付与していた。

「提供元」http://philstar.com

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