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日本、フィリピンでのインフラ事業拡大を検討「官民連携(PPP)方式」

マニラ発 — 日本は今後、フィリピン国内でのインフラ開発事業を官民連携(PPP)方式でさらに推進する方針であることを、5月28日(水)に行われた日比外相会談の中で表明した。
会談は、日本を訪問中のエンリケ・マナロ外務大臣と、日本の岩屋毅外務大臣の間で行われたもので、経済協力と安全保障の両面について広範な意見交換がなされた。
■ 「対等なパートナーとしてPPPを推進」
岩屋外相は会談の中で、**「対等なパートナーシップのもとで、フィリピンのインフラ整備を官民連携方式でさらに促進していきたい」**との意向を示した。
これに対し、マナロ外相は日本からのこれまでの支援に感謝を述べ、今後のさらなる協力に強い期待を表明。両国は、年内に日本で開催予定の**「インフラ開発・経済協力に関する日比ハイレベル合同委員会」**に向けた準備を進めていくことで一致した。
■ 鉱物資源開発への投資安定性も議題に
会談では、インフラ分野だけでなく、鉱物資源(特にニッケル)開発における安定した投資環境の必要性についても協議された。
日本はフィリピンの豊富な資源に関心を寄せており、持続可能な投資環境の整備が今後の協力拡大の鍵となると考えられている。
■ 安全対策への懸念と対応
岩屋外相はまた、在フィリピン日本人の安全確保についても懸念を表明。「日本人の安全は、フィリピンへの投資を進める上で不可欠」と述べ、現地治安の改善への期待を示した。
これに対しマナロ外相は、「この問題はフィリピン政府として最高レベルで対処している」とし、「ビジネスでも観光でも、日本人が安心してフィリピンを訪問できるよう、あらゆる努力を尽くす」と応じた。
■ 日本は最大のODA供与国
日本は現在、フィリピンにとって最大の政府開発援助(ODA)供与国であり、2022年時点でフィリピンが受け取っているODAのうち約59%を日本が占めている。
日本からの支援は、ニノイ・アキノ国際空港のターミナルや滑走路の整備、主要道路・橋梁の建設、鉄道インフラの開発など、国家規模のインフラ事業に幅広く活用されている。
■ 今後の展望
今回の外相会談を通じて、日比両国はインフラ、経済、防衛、安全保障の各分野で協力を一段と深化させる姿勢を再確認した。
特に日本は、「対等なパートナー」としてフィリピンとともに歩む姿勢を明確にし、官民双方の連携による新たな成長モデルの構築を目指している。
「提供元」http://philstar.com