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フィリピンと日本、情報安全保障協定に関する協議を開始

マニラ発 — フィリピンと日本は、両国間で機密情報を共有可能にする「情報保全協定(Security of Information Agreement)」の締結に向けた協議を開始した。これは、日本がこれまで米国、英国、ドイツ、ウクライナなどと結んできた協定と同様の枠組みとなる。
■ 外相会談で「安全保障協力の基盤強化」を確認
5月28日(水)、訪日中のエンリケ・マナロ外務大臣と、日本の岩屋毅外務大臣が会談を行い、情報安全保障を含む安全保障・防衛・経済分野に関する幅広い議題を協議した。
両外相は、「将来的な情報保全協定締結の可能性」について議論が始まったことを歓迎。また、**日比物品役務相互提供協定(Acquisition and Cross-Servicing Agreement:ACSA)**の交渉開始にも合意した。この協定により、共同訓練や作戦時に両国の自衛隊・軍が物資やサービスを相互提供できるようになる。
■ 「ほぼ同盟国」としての関係強化
岩屋外相は会談の中で、日本とフィリピンの関係が「ほぼ同盟国(near-alliance)」のレベルに達していると述べた。今回の外相会談は、今年4月に行われたマルコス大統領と石破茂首相(※注:仮想記事上の人物設定)との首脳会談を踏まえてのものであり、両外相は「安全保障協力の基盤をさらに強化する」ことを確認した。
さらに、日比相互往来協定(Reciprocal Access Agreement:RAA)についても「着実に進展している」と評価。RAAは、日本とフィリピンの軍隊が相互に相手国領土で活動できるようにする初の協定であり、すでにフィリピン上院では承認済み。現在は日本の国会での承認を待っている段階にある。
■ 海洋安全保障での連携強化へ
両国は2024年内に海洋安全保障に関する協議と、外務副大臣級の戦略対話を開催することでも合意した。南シナ海での緊張が続く中、日比の海洋協力は重要な課題として位置づけられている。
岩屋外相はまた、日本の**「政府安全保障支援(OSA:Official Security Assistance)」の拡充**により、フィリピンの防衛能力強化を引き続き支援すると表明。マナロ外相もこの支援に対し、深い感謝の意を示した。
OSAは2023年に日本が創設した新たな安全保障支援制度で、フィリピンはその最初の受益国のひとつである。
地域の課題でも連携強化へ
会談では、米国やその他の同盟国との連携の重要性についても改めて確認され、日比および日比米の三国協力の深化が合意された。
そのほかにも、以下の地域課題について意見交換が行われた:
・東・南シナ海の緊張
・ミャンマー情勢
・ロシアによるウクライナ侵攻
・北朝鮮の核・ミサイル開発問題
今後の展望
今回の協議は、フィリピンと日本が「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、より強固な安全保障連携に踏み出したことを示している。
特にRAAやOSAといった枠組みを通じて、日本が東南アジアにおける安全保障パートナーとしての存在感を強めることが期待されており、両国関係は“新たな段階”に入ったと言える。
「提供元」 http://philstar.com