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フィリピン 母子感染によるHIV感染の症例が増加中

フィリピン・マニラ発 — 母子間でのHIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染が、ここ数年で急増していると、フィリピン保健省(DOH)が報告しました。
最新の「フィリピンHIV/AIDSサーベイランス」によると、2020年1月から2025年3月までに母子感染によるHIV症例が202件確認されており、これは1984年以降に報告された総数401件のうち半数以上を占めています。今年第1四半期だけでも、母子感染による新規HIV感染が17件発生しました。
一方で、HIVの主な感染経路は依然として性的接触によるものであり、1985年から2025年3月までのHIV/AIDS報告数148,831件のうち、96%にあたる143,272件が性的接触を通じて感染したものでした。
内訳としては、男性間の性行為による感染が89,198件、男性・女性両方との性行為による感染が33,823件、男性から女性への性行為による感染が20,251件でした。
感染した注射針の共有による感染は全体の2%(2,627件)で、2012年以降は血液製剤による感染は確認されていません。
男性感染者の88%は男性との性行為によって、9%は女性との性行為、2%は感染した注射針の共有、そして1%未満が母子感染によるものでした。女性感染者の場合、93%が男性との性行為による感染、2%が母子感染、別の2%が注射針の共有によるものでした。
DOHのデータによると、地域ごとのばらつきも見られます。例えば、男性間性行為による感染者のうち34%は首都圏(NCR)出身でした。また、母子感染の57%は、首都圏、カラバルソン地域、セントラルルソンからのものでした。感染注射針の共有による感染者のほぼ全て(99%)はセントラルビサヤ地域に集中していました。
今年第1四半期に新たに報告された感染ケースのうち、96%(4,899件)は性的接触によるもので、感染注射針および母子感染によるものはそれぞれ1%未満にとどまりました。
一方、フィリピン・カトリック司教協議会(CBCP)は、HIV/AIDSと共に生きる人々に寄り添い、病気に対するスティグマ(偏見)を打破するための取り組みを強化しています。
「若者たちに伝えたい。怖がらずに名乗り出て、カトリック司教協議会の保健委員会が行っている支援を受けてほしい」と、CBCP保健委員会副議長のオスカー・ハイメ・フロレンシオ司教(軍司教区)はラジオ局dzRVで語りました。
「あなたたちは私たちが仕える教会の大切な一員です。私たちはあなたに寄り添い、回復への道を共に歩みたいと願っています」とも述べました。
「提供元」http://philstar.com