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フィリピン 手足口病の感染報告が増加
マニラ発 — フィリピン保健省(DOH)によると、今月だけで2,525件の新規感染が確認され、手足口病(HFMD)の症例数が引き続き増加しています。
DOHのデータによれば、8月9日時点で37,368件だった感染者数は、8月16日までに39,893件に増加。症例の半数は1歳から3歳の幼児だとしています。
DOHは、各地方自治体と連携して、監視体制や感染予防対策を強化していると説明しました。手足口病は主に5歳未満の子どもに多く見られる、感染力の非常に強いウイルス性疾患です。
多くの症例は軽症で自然に治癒し命に関わることはありませんが、放置すると髄膜炎、脳炎、ポリオ様の麻痺に進行することもあります。感染は、感染者との直接接触や、飛沫、ウイルスが付着した物品などを介して広がります。
症状には、1〜2日続く発熱、口内炎、手足やお尻にできる発疹や水ぶくれなどがあります。
保護者には、家族の誰かに症状が見られた場合は、すぐに医療機関を受診するよう呼びかけています。感染者は7〜10日間隔離し、熱が下がり発疹や水ぶくれが治まるまで安静にする必要があります。専門家は、こまめな手洗いや物品・表面の消毒が感染拡大防止に有効だとしています。
一方で、今年1月から6月の間に192,733件の結核(TB)症例も報告されました。
DOHは「全国肺月間」に合わせ、8月30日に全国的なアクティブ・ケース・ファインディング(積極的症例発見)を実施。
7,000人が無料で胸部X線検査やツベルクリン皮膚反応検査、カウンセリング、健康教育を受けました。
この取り組みは、未診断の結核患者を早期に発見し、完全な治療につなげることを目的としています。
またDOHは、結核患者と密接に接触した人々に結核予防治療(TPT)を受けるよう呼びかけました。TPTは、HIV感染者や免疫力が低下している人など、結核リスクの高い層にも提供されています。
テッド・ハーボサ保健相は、結核症例を減少させ、将来的には「結核のないフィリピン」を目指すと述べました。
DOHによると、TPTの対象となる人は、治療を無料で受けることが可能です。
「提供元」http://philstar.com
