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フィリピン 421件の治水事業が“存在しない事業”と判明
マニラ発(フィリピン)—
フィリピン公共事業道路省(DPWH)は木曜日、他の政府機関と共に調査した約8,000件の治水事業のうち、421件が“幽霊プロジェクト(実態のない事業)”であることを確認したと発表した。
DPWHは、フィリピン軍(AFP)、国防省(DND)、経済開発計画省(DEPDev)と連携し、国内の治水事業の監査を行っている。DPWHのビンス・ディゾン長官は記者会見で、「8,000件のうち、AFP、DND、NEDA(国家経済開発庁)が確認した幽霊プロジェクトは421件」と述べた。
これらの幽霊プロジェクトは、ルソン島、ビサヤ諸島、ミンダナオ島全域で確認され、特にルソン島に集中しているという。
ディゾン長官は、これらはあくまで初期の数字であり、まだ約10万件の事業が検証を待っていると強調した。
しかし、幽霊プロジェクトであるため、責任の所在や法的責任の追及は比較的容易であり、訴訟手続きも迅速に進められると述べた。
独立インフラ委員会(ICI)のブライアン・ホサカ執行理事は、この新しい情報により委員会としてより明確な方針を立てられるとコメント。委員会顧問のロドルフォ・アズリン氏も、これら幽霊治水事業の調査に直接関わる見込みだという。
幽霊治水事業の問題は、フェルディナンド・マルコスJr.大統領の国情演説(State of the Nation Address)で初めて指摘された。
マルコス大統領自身も、いくつかの疑惑現場を視察しており、これを受けて議会による並行調査も行われた。その過程で、地方でのキックバック(裏金)スキームが発覚。
このスキームにはDPWH職員や、上院議員チズ・エスクデロ氏、辞任した下院議員ザルディ・コー氏ら複数の政治家が関与していたことが明らかになった。
「提供元」http://philstar.com
