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2025/06/19

フィリピン海軍、日比合同演習中に中国軍と協調パトロールを行ったとの中国側の主張を否定

マニラ(フィリピン)発 — フィリピン海軍は、中国軍が先週日本と行った西フィリピン海での海上演習中に「協調した空・海のパトロールを実施した」とする主張を否定し、この発言はフィリピンの海洋域における中国の違法な存在を正当化しようとする誤情報の拡散だと非難しました。

西フィリピン海担当の海軍報道官、ロイ・ヴィンセント・トリニダッド少将は、6月17日(火)に記者団に対し、「我々の海洋域内で中国南部戦区が協調して空と海のパトロールを行ったという証拠は確認されていない」と語りました。

その代わりに、トリニダッド少将は、「バホ・デ・マシンロック(スカボロー礁)、パグアサ島、サビナ礁、アユンギン礁において、中国人民解放軍海軍および中国海警の違法な継続的存在を監視していた」と述べました。

また同少将は、「このような報道は誤情報(misinformation)、偽情報(disinformation)、悪意ある情報操作(malinformation)にすぎず、中国共産党の違法な海洋権益主張を国内外に正当化しようとする試みである」と指摘しました。

6月14日に行われたフィリピン海軍と海上自衛隊による「海上協力活動」とも呼ばれる合同演習では、中国人民解放軍の艦船が演習艦隊を追尾し、日本の艦艇から約80海里(約148km)以内に接近したといいます。

中国のジャンカイ級フリゲート艦はドローンを発進・回収しており、「演習の様子を監視していたと推測される」とトリニダッド少将は述べました。

今回の演習は、6月6日に日本の国会が「日比相互アクセス協定(RAA)」を承認して以降、両国による初の本格的な活動であり、日本にとってはアジア諸国との初の軍事アクセス協定でもあります。2024年8月の初回演習に続き、今回が2度目の二国間海上演習となります。

フィリピン側は、新たに就役したミサイルフリゲート艦「BRPミゲル・マルバル」、AW159対潜ヘリコプター、情報・監視用航空機を投入。日本側はミサイル駆逐艦「たかなみ」とSH-60Kシーホークヘリコプターを投入しました。

一方、中国南部戦区司令部は6月16日(日)、「南シナ海での共同空海パトロールを実施した」と発表し、フィリピン・日本の共同パトロールが「地域の安全を脅かし、平和と安定を損なう」と主張しました。

これに対してトリニダッド少将は、中国の発表は単なるプロパガンダであり、たとえ中国軍艦が演習艦を追尾していたとしても、「協調した空海パトロール」とは見なせないと述べました。

同少将によれば、中国軍は通常、演習中に明確な威嚇や攻撃行動を取らず、その後になって虚偽の主張を発表する傾向があると指摘し、「活動後に偽情報を流し、我々の海洋域でパトロールを行ったかのような印象操作を行っている」と述べました。

このような情報操作は、中国国内向けだけでなく、国際社会や他国にも向けられており、自国に有利な主張を広めるためのものだと強調しました。

また、「外国勢力を招いているという中国の主張には全く根拠がない。違法に我々の海域にいるのは彼ら自身だ」と強く反論しました。

6月15日、演習の翌日には、フィリピン海軍がバホ・デ・マシンロック近海で人民解放軍の艦船2隻と中国海警の船2隻を監視していたと報告。また、アユンギン礁では海警のゴムボートが2隻発進し、サビナ礁近海でも人民解放軍の艦船1隻が確認されたとのことです。

中国は南シナ海のほぼ全域に対して主権を主張していますが、フィリピンを含む複数の東南アジア諸国も一部重複する権利を主張しています。

なお、中国は2016年に国際仲裁裁判所が出した「中国の主張には法的根拠がない」とする判決を今なお無視し続けています。

「提供元」http://philstar.com

 

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