ニュース

2025/11/12

フィリピン 台風ウワンにより25人が死亡、2人が行方不明

マニラ(フィリピン)発 —
フィリピン民間防衛局(OCD)は11日、スーパー台風「ウワン(国際名:Fung-Wong)」によって少なくとも25人が死亡し、2人が行方不明になっていると発表しました。

死亡者のうち19人はコルディリエラ行政地域、3人はカガヤン・バレー地方で確認されており、多くが地すべりによるものです。
そのほか、ビコール地方、西ビサヤ地方、東ビサヤ地方でそれぞれ1人ずつが死亡しており、溺死や感電が原因とされています(OCD副長官ベルナルド・ラファエリト・アレハンドロ4世による)。

ウワンの影響で、およそ240万人が国内6,900のバランガイ(行政区)から避難を余儀なくされました。
そのうち約80万4,000人が、全国約11,000か所の避難所に身を寄せています。
国家災害対策委員会(NDRRMC)によると、全国で267件の洪水と19件の高潮が報告されています。

暫定報告では、約4,100戸の住宅が損壊し、最も被害が大きかったのはカタンドゥアネス州とされています。

水が引きはじめた地域では、救助隊がバックホー(ショベル車)やチェーンソーを使って地すべり現場の捜索を開始しています。

「現在、最大の課題はライフラインの復旧、道路の障害物撤去、そして電力や通信網の再開です。回復には数週間かかる見込みです」
とアレハンドロ副長官は述べています。

イサベラ州沿岸部では、人口約6,000人の町が依然として支援の届かない状態にあり、隣接するヌエバ・ビスカヤ州でも地すべりにより主要道路が寸断され、複数の地域が孤立しています。

カガヤン・バレー地方の報道官アルヴィン・アイソン氏によると、地すべりで亡くなった中には10歳の少年も含まれているとのことです。

「私たちは被災地へのアクセスに苦労しています。
一部の住民は避難所にいますが、自宅に戻ってからの再建には時間と困難が伴うでしょう」
とアイソン氏はAFPの取材に答えました。

🌀 水不足、孤立、再びの苦難

カタンドゥアネス州では、水道設備の復旧に最大20日を要する可能性があり、
ヴィラック町の住民は川まで長距離を歩いて水をくみに行く生活を強いられています。

「私たちはここなら安全だと思っていました。
でも、近所の人たちは“この地域で洪水を経験したのは初めてだ”と言っています。
もう本当に疲れました。とても疲れています」
と住民のジョッサ・フロランサさんは語りました。

カガヤン州では、国内最大の河川流域の一部であるチコ川が氾濫し、
隣のアパヤオ州で発生した鉄砲水が原因で住民が屋根の上に避難する事態となりました。

トゥゲガラオ市では、胸の高さまで冠水した地域でボートを使った救助活動が行われています。

「セントロ4地区では水位が上昇しています。
複数階建ての家の上階にまだ取り残されている住民がいます」
とカガヤン州の広報担当者がSNS上の動画で報告しました。

🚁 軍も総動員、全国で救助・復旧活動

フィリピン軍は、全ての人員と装備を動員し、捜索・救助・収容・障害物撤去作業を進めています。

「総力を挙げて対応しています」
と軍広報官フランセル・マーガレット・パディーリャ大佐は述べ、
部隊が道路の再開通と孤立地域へのアクセス回復に尽力していると説明しました。

🌏 科学者たちの警鐘:気候変動で強まる台風

科学者らは、人為的な気候変動により台風がこれまで以上に強力で破壊的になっていると警告しています。
海水温が高いほど台風は急速に勢力を増し、
暖かい大気が多くの水分を保持することで、豪雨と大規模洪水が頻発する傾向にあるといいます。

📍 現在の位置(11月11日午後5時時点)

ウワンはバタネス州イットバヤットの西約340キロの海上にあり、
中心付近の最大風速は時速100キロ、最大瞬間風速は125キロに達しています。

「提供元」http://philstar.com

 

弊社ではフィリピンでのお困りごとなどに対応しています。
お困りの際は、LINEにてお気軽にお問い合わせください。
友だち追加

LINEでマニラの最新情報をお届け!
マニラ旅行についてのご相談もお気軽に
お問い合わせください。